赤い指(東野圭吾) |
犯人は最初から分かっている。刑事コロンボや古畑任三郎のドラマ のような構成である。あっと言う間に東野圭吾の世界に入り込んで しまった。 いびつな家族がもたらしたとも言える殺人事件。 息子が9歳の少女を自宅で殺害してしまった。息子に対し腫れ物に 触るような態度の母親、嫁姑の確執の末に最近ぼけ始めた祖母、 そんな家にはすぐには帰りたくない責任逃れの父親。 息子が殺人を起こした事は消すことができない事実である。 母親のたっての願いで父親は死体の始末をすることになる。 真夜中に父親は死体を近くの公園に運ぶ。 そんな苦労を知ってか知らずか息子は自分の犯した殺人をも親の せいだとばかりの態度を示す。ボケた祖母は娘の口紅で手を赤く 塗りたくってしまう。 次の日すぐに死体は発見され、刑事の捜査が始まる。死体に芝が付着 していたことから、前原家にも刑事が訪れる。刑事の鋭い捜査を 逃れることはできないと判断した父親は、母親と息子に、殺したのは ボケた祖母であり、自分が死体を運んだと偽装するように口裏を 合わせ、リハーサルまでして備えた。 癌に侵され、余命いくばくもない父を持つが見舞いにも行こうと しない刑事とその父を本当の父親として見る従兄弟の刑事の2人が この殺人事件の担当になっていた。その父もまたかつて刑事だった。 "感"で前原家が怪しいと見た刑事は、誰が真犯人かを見抜く。更に 大きな罪を犯さないように何とか自首させようとするが父親は 落ちない。もうこれまでかと思う瞬間、父親を正気に戻させたのは 小学生のとき自分の母親にプレゼントして母親が大事にしていた 名札だった。 題名の「赤い指」は、ぼけた祖母の手を指している。これによって 刑事が真実を見抜いたのである。 2009年4月21日(火)の実績は、 9393歩 でした。 平均 11036.3 合計 17635942 日数 1598 瞬間年間歩数 4028235 直近10日間平均 10462.6 |
by 1manpo_club
| 2009-04-21 12:19
| 本
|
<< 首都高から東北道へ | 同時進行 >> |