「名臣伝」津本楊 |
津本氏は和歌山市の出身である。 旧制中学の四年制のときから始めた剣道で三段、抜刀術では五段の 腕前を持っていて、リアルな殺陣の描写はほかの剣豪作家には 及びもつかない。(解説 新宮正春) 本書は紀州藩祖頼宣が紀州に移封されるさい駿河から引き連れて きた「駿河越え」といわれる家臣たちを主に素材とした連作短編集 である。(同上) 尚武の君主のもと不朽の名臣あり。戦国の余熱を残す徳川初期に、初代藩主として紀州入りした徳川頼宣。この年若き藩主を武と知の限り支えた一団がいた。秘術猫返りの三浦文左衛門、狂いはたらきの山本正春、至誠直言の安藤直治・・・。おのれの使命を信じ、技に生きた男達の逞しくも潔い生涯をたどる伝記小説集。(裏表紙 概説) ・市川門太夫 いちかわもんだゆう ・三浦文左衛門 みうらぶんざえもん ・大崎玄蕃充 おおさきげんばのすけ ・服部角左衛門 はっとりかくざえもん ・吉見喜左衛門 よしみきざえもん ・薮三左衛門 やぶさんざえもん ・町野宇右衛門 まちのううえもん ・贄掃部 にえかもん ・朝比奈怱左衛門 あさひなそうざえもん ・山本勘五郎 やまもとかんごろう ・園田伊兵衛 そのだいへえ ・山本正春 やまもとまさはる ・安藤直治 あんどうなおはる ・長尾勘兵衛 ながおかんべえ とりわけ武術の達人であった市川門大夫の生き様は気に入った。 のちに卓越した技を惜しむ明輩たちに武道の一派をひらくようにすすめられた門大夫は「儂が武芸鍛錬いたせしは、それを余人に教えるためではない。おのれが楽しむためじゃ。さまざまな工夫をして自得せし筋道を、余人に教えるほどの能は、儂にはないわ」というのである。 2015年6月17日(水)の実績は、 10521歩 でした。 平均 10821.2 合計 36056385 日数 3332 瞬間年間歩数 3840165 直近10日間平均 10545.0 |
by 1manpo_club
| 2015-06-17 12:30
| 本
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