「魔神の遊戯」島田荘司 |
ロドニー・ラーヒムという人物が登場する。 精神病院に入れられていたこともあり精神的に問題のある人物と 見られていたが、ある村の非常に写実的な絵を大量に描いていた。 その中に奇妙な絵があった。 ヒイラギの樹の枝の間に女の顔がわずかに覗いているものだった。 時計台の上にも女性が描かれていた。その意味するところは作者 本人にも分からない。 ミタライ教授が登場する。スウェーデンにある大学の医学博士である。 ミタライ教授はラーヒムから西エルサレムの古いアパートに住んでいた 頃の悲惨な生活のことを聞いた。 彼の母親が生活のために淫らな仕事をしていたこと。そしてボニー、 コニー、フェイ、ペギー、リンダという女性達から母親も息子にも 耐え難い意地悪を受けていたこと。 そして現実のキャンノンという名の村で連続殺人事件が起こる。 スコットランドでは非常に珍しいオーロラが出て村中大騒ぎしていた 時に、ロドニーが写実的な絵に描いていたようにヒイラギの樹の枝に ポニーという女性の首が置かれていたのである。 次々と起こる遺体バラバラ殺人事件。すべてが力ずくで顔、手足を もげられていた。一体誰が何のためにこのような残酷なことを するのか。村は騒然となる。 ミタライ教授は事件の発端から登場するが常に犯人の動きの後手 にまわり、かの頭脳明晰な御手洗潔とは趣が異なる印象を受けた。 実はこのミタライ教授こそが事件解決のキーとなる人物であった。 そして私がこれまでイメージしていた御手洗潔も本作品の解決編 とでもいえる最終章とエピローグで登場する。すべての謎が 快刀乱麻のごとく説明されるところは胸がすく思いがした。 御手洗潔がかつてスウェーデンの大学教授であったことをこの作品 で初めて知った。またモーゼにまつわる伝説的な話もこの作品で 詳細な内容を知った。 この作品は御手洗が日本以外で活躍する傑作と言えよう。 2013年11月16日(土)の実績は、 8842歩 でした。 平均 10895.4 合計 31890825 日数 2927 瞬間年間歩数 3976820 直近10日間平均 10225.5 |
by 1manpo_club
| 2013-11-16 12:30
| 本
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