レストランにて(その3 順番) |
食べ物屋で案外重要なのは順番である。 場合によっては、料理をまとめて作る関係で順番は多少入れ替わる こともあるが、基本は注文順に出てくるものだ。 私たちが店に入った時には、隣のテーブルにいる3人グループは 注文を済ませていたことは確かである。何を注文したかは当然ながら 知る由もない。続いて私たちがメニューを見てランチのAとBを 頼んだことは前に記した。 料理が出来上がるまでの結構長い時間を私はカミさんといろいろな 話をしながら過ごしていたが、ついに料理が運ばれてきた。 ウェイトレスが私たちのテーブルに2種類のパスタの皿を置いた。 一つはカミさんの注文したパスタに間違いはない。ところがもう一つの トマト煮ソースのパスタは私が注文したものではない。確か、チキン であったはずだ。怪訝な顔をしていると、トマト煮パスタは間違いで あったらしい。先客の3人テーブルに座っている女性の一人がパスタを 注文したらしいが、カミさんと同じパスタを注文したらしい。 本来ならカミさんの前に置かれたパスタは隣のテーブルの女性の 前に先に置かれるべきものであった。しかし、ウェイトレスは カミさんのパスタは移動させなかった。一旦客に出したモノはその お客のモノであるという考えなのだろう。 そのトマト煮のパスタはかなり後から店に入った一人の女性の所に 運ばれた。その後、時間を置かずに私のチキンが運ばれてきた。 隣のテーブルにもチキンの皿は2皿運ばれた。 どうやら、隣のテーブルと私のテーブルで同時に調理したらしかった。 割を食ったのは隣のテーブルの女性である。一人だけお預けになった 形になった。 料理はすぐにはできない。パスタならば、パスタをゆで必要な材料 を刻み調理し料理として完成するまでに手間ひまがかかる。 一つ間違えたからと言ってすぐにできる訳はない。 隣の女性には申し訳ないが、私たちは何事も無かったかのように 二人で会話しながら料理を楽しんだ。カミさんは一応店の人に 良いんですかと確認を取ったから問題はない。 しかし、隣の女性は心穏やかではなかったに違いない。 順番を2つ飛び越えられたのだ。行列で前に人が割り込むと良い 気持ちはしないだろう。この女性は黙っていた。 同じテーブルの2人にゆっくり食べてくださいね、と言っていたのが 聞こえた。 店側はあわてなかった。急いでカミさんと同じ種類のパスタを作り 出来次第、その女性に出していた。間違えたのは店側だから、何か 特別なデザートなど付くのかと思っていたが、そのようなサービスは なかった。 |
by 1manpo_club
| 2010-02-14 12:30
| 食べ物
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