「ナミヤ雑貨店の奇蹟」東野圭吾 |
本書の裏表紙に概説が載っている 悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか? 3人は戸惑いながらも当時の店主/浪矢雄治に代わって返事を書くが・・・・。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!? 映画化はされていないが劇として上演されており感動を 呼んでいるらしい。 Wikipediaにストーリーが掲載されていた。 --------- 第一章 回答は牛乳箱に コソ泥をして逃亡中の敦也・翔太・幸平は突然盗んだ車が動かなくなり、仕方なく以前翔太が見つけた廃屋「ナミヤ雑貨店」に逃げ込み夜が明けるのを待つことに。三人が店を物色していると、突然シャッターにある郵便口に手紙が投げ込まれる。手紙を開けるとそこには、月のウサギと名乗る者からの悩み相談が書かれていた。店に残っていた雑誌によると、ナミヤ雑貨店はかつて店主が投函された相談に一生懸命答えてくれる事で有名だった。敦也は放っておこうというが、翔太と幸平はこんな機会でないと人の相談に乗れないと返事を書く事を決意する。 第二章 夜更けにハーモニカを ミュージシャンを目指す克郎は、慰問演奏で児童養護施設「丸光園」を訪れた。子供達は演奏を楽しく聞いてくれていたが、その中に一人だけ克郎を見ようとしない女の子が居た。克郎はその子を喜ばそうと様々な曲を演奏するが、全く効果はなかった。音楽に興味がないんだと諦め演奏会の終わりに必ず演奏する自分のオリジナル曲を演奏すると突然女の子は興味を示し、克郎に話しかけてきた。 第三章 シビックで朝まで 貴之は父親の雄治が運営するナミヤ雑貨店を訪れ、店を畳んで二世帯同居をしようと持ち掛ける。しかし雄治は悩み相談に答える事を生きがいにしており、いつもその話に聞く耳を持とうとしなかった。だが突然、雄治が潮時だと言って店を畳んで貴之と同居すると言い出す。 第四章 黙祷はビートルズで 浩介は事故で急死した従兄の遺品であるビートルズのレコードを譲り受け、それをキッカケにビートルズのファンになる。裕福な家庭だったので部屋には最新型のアンプやスピーカーが置かれ、友人達にビートルズを聞かせたりしていた。そんなある日、友人からビートルズ解散の話を聞かされる。 第五章 空の上から祈りを 夜明けまで一時間となった時、新たに手紙が投函される。迷える子犬と名乗る十九歳の女性から、OLを辞めてキャバ嬢に専念したいので如何すれば良いかという物だった。敦也・翔太・幸平の三人は軽い女子だと決めつけ返信を書くが、その後の返信で迷える子犬が詳しい事情を告げると三人の考えは一変する。 古い雑貨店で起きた奇蹟の物語はそれぞれが独立した短編かと 思われたがすべてが関連づけられていた。ある児童養護施設が 共通の重要な意味を持っている。 角川書店のWebサイトに作者自身がどのような思いで本書の構成を 考えていたか掲載されていた。非常に興味深い。 ----------- 第一話は、そんな不思議な家に入り込んでしまった人物たちの物語です。過去からの手紙を受け取り、悩みの相談に乗るという大切な役回りです。本当ならば、分別があり、知識や経験のある人間でなくてはなりません。しかし敢えて未熟で欠点だらけの若者たちにしました。他人の悩みになど関心がなく、誰かのために何かを真剣に考えたことなど一度もなかった彼等が、過去からの手紙を受け取った時にどう行動するか、私自身が知りたくなったのです。人数を三名にしたのは、「三人寄れば文殊の知恵」からです。 第二話では相談する側の人間を描いてみることにしました。ただしこの人物は、自分の書いた手紙が未来の人間に届いているとは思っていません。そのことを知っているのは読者だけです。 第三話では、『ナミヤ雑貨店』の本来の姿を描きました。店主の爺さんが健在で、他人の悩み相談に乗っていた頃の話です。奇妙な雑貨店はどのようにして出来たのか、なぜ不思議な現象が起きているのか、いろいろなことが少しずつわかっていきます。 第四話は、一人の男性の話です。子供の頃に『ナミヤ雑貨店』に相談事を書いた手紙を出し、爺さんからの回答を受け取っています。その後、彼がどのような選択をし、その結果どうなったのかを描いています。 第五話でも、ある相談者の人生が描かれます。それと共に、いよいよ『ナミヤ雑貨店』の秘密が明かされていきます。不思議な家に忍び込んでしまった若者たちの運命や如何に、というところです。 主な登場人物もWikipediaに掲載されていた。 ---------- 敦也(あつや) 三人の中でリーダー的存在。 翔太(しょうた) 小柄で、顔にまだ少年っぽさが残っている。 幸平(こうへい) 大柄で、気が弱い。 月のウサギ 第一章に出てくる相談者。ある競技でオリンピック代表候補になっているが恋人が癌になってしまい、如何すれば良いのかと相談してきた。 松岡 克郎(まつおか かつろう) 第二章に出てくる相談者。ミュージシャンを目指しているが芽が出ず、夢を追い続けるか実家の魚屋を継ぐかで迷い「魚屋ミュージシャン」と言う名でナミヤ雑貨店に手紙を出す。 和久 浩介(わく こうすけ) 第四章に出てくる相談者。ビートルズのファンで、ある悩みを相談する為「ポール・レノン」と言う名でナミヤ雑貨店に手紙を出す。 武藤 晴美(むとう はるみ) 第五章に出てくる相談者。昼は腰掛けOL・夜はキャバ嬢をしている。自立した生活を目指しており、穏健な形で会社を辞める方法がないかと「迷える子犬」と言う名でナミヤ雑貨店に手紙を出す。 浪矢 雄治(なみや ゆうじ) ナミヤ雑貨店店主。妻が亡くなった事で元気を無くしていたが、冗談がキッカケで始まった悩み相談に答える事を生きがいにしている。 浪矢 貴之(なみや たかゆき) 浪矢雄治の息子。店の運営を心配し、雄治に同居を提案する。 2015年3月9日(月)の実績は、 11902歩 でした。 平均 10828.5 合計 35344201 日数 3264 瞬間年間歩数 4344230 直近10日間平均 10761.2 |
by 1manpo_club
| 2015-03-09 12:30
| 本
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