「追悼者」折原一 |
死んだはずのものが生きて生きているはずのものが死んでいる。 作品中のフリーライター笹尾時彦が丸の内のOL大河内奈美の死を きっかけに取材して判明してきたOLの人生の周りで起きる 不可解な事件。 丸の内に勤めていた優秀なOLが何故浅草で夜の街角に立ち 男を漁っていたのか?犯人は逮捕されなかった。犯人よりも むしろそのOLのスキャンダラスな点が世間の注目を浴び、 雑誌も興味本位で彼女の人生、家族を書きたてた。 前年度の新人賞の受賞者だった笹尾は、今年度の新人賞を取った 高島百合子と共同して周辺の大河内奈美の友人、知人、同僚、上司 たちの聞き取り取材を始める。 確かに奈美の人生において彼女と親しい人が次々に不慮の死や 事故を起こしていた。それは単なる偶然の域を超えていた。 奈美の死は単に身を崩したOLの死とは思えなかった。 身を崩したていたという噂が独り立ちしたとしか思えないほど 奈美の人生は身を崩したとは程遠い人生だった。 いろいろな作家がそれぞれ独自の取材をしていたが、その一人の 大御所加藤修一郎の配下で動いていた城戸義和が、OL殺しの犯人 を掴んだと思われたが、何者かに殺されてしまった。笹尾等の 取材は確実に犯人を追い詰めているらしいことが分かった。 誰が大河内奈美という女性を殺したのか?彼女の小さい頃からの 関係者か?過去に関わったことのある男の一人か? 例の如く犯人は意外な人物だった。 インタビュー形式の証言が至る所に挿入され笹尾の視点でストーリー が展開される。最後の最後まで興味深く読み続けることができた。 2013年7月6日(土)の実績は、 5755歩 でした。 平均 10928.1 合計 30729865 日数 2812 瞬間年間歩数 3988763 直近10日間平均 9178.8 |
by 1manpo_club
| 2013-07-06 12:30
| 本
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